1)銑鉄を造る  溶鉱炉(高炉)に鉄鉱石、コークス(燃料及び還元剤)、石灰石など交互に炉中に入れ、炉の下方から熱風を吹き込みます(約2000℃)。

この時COよりもCOガスが多くできます。このガスが炉中を上昇して鉄鉱石を還元しFe(鉄)にします。

主に用いられる鉄鉱石は磁鉄鉱(Fe)、赤鉄鉱(Fe)、かっ鉄鉱(2Fe・3HO)であり、これがC(炭素)やCOガスによって還元されFeとなわけです。

これを溶銑又は銑鉄と云い、この銑鉄を造ることを製銑と呼んでいます。この銑鉄は3〜4%のCと他の不純物元素を含み、一部は(2%程度)は鋳物用銑として用いられますが、大半は製鋼用です。

(2)銑鉄から鋼を造る

 

製鋼炉で銑鉄から鋼を造ることを製鋼といい、鋼を造るには銑鉄と、くず鉄(スクラップ)、鉄鉱石、石灰石など一緒にして製鋼炉で溶かします。昔は製鋼炉に平炉が主に使われていましたが、最近では転炉が主流です。

銑鉄にはCが非常に多く、また、Si(シリコン:けい素)やMn(マンガン)、P(りん)、S(硫黄)などの不純物も多く含まれているため酸化除去する必要があります。

この酸化除去の役目を果たすのが鉄鉱石(酸化鉄)や酸素であり、この操作を精錬(リファイニング)と云っています。

さらに精錬が終わった溶鋼中には酸素や窒素などのガスが多く存在しているので、酸素を除くためにフェロシリコン(FeSi)やフェロマンガン(FeMn)を、また、窒素を除去するためにAl(アルミニウム)を入れて脱酸をします。

3)造塊と化学分析 製鋼の終わった溶鋼はとりべから鋳型に流し込み、インゴット(鋼塊)にします。これを粗鋼と呼びます。脱酸の程度によってリムド鋼、キルド鋼、セミキルド鋼の3種類に分けることができます。

リムド鋼Cの他に酸素も数百ppm含まれている溶鋼に、フェロマンガンを添加して軽く脱酸しただけで製造した鋼です。気泡の外側はCも不純物も少なく、圧延しても表面傷の発生が少なく、また、内部の気泡は圧着するため板、棒、管などに用いられ、溶接性も良好です。しかしながら、切削すると内部の傷が出やすいので、高度な信頼性が要求される機械構造用部品には不向きです。したがって、一般的な圧延鋼材や形鋼あるいはブリキ、トタンなどを作る熱延鋼板やプレス加工用打抜き冷延鋼板などに多く用いられています。

キルド鋼SiやAlで十分脱酸して製造した鋼です。頭の収縮部は切捨てるため歩留まりはあまり良くありませんが、品質はリムド鋼よりは良く、均質で不純物や気泡も少なく、高級な部材として用いられています。

セミキルド鋼リムド鋼とキルド鋼の中間で脱酸した鋼であり、性状も両者の中間なため、レールや厚鋼板などに多く用いられている鋼です。

いずれの鋼においても、圧延用のものは正方形(条鋼用)、長方形(条鋼、鋼板用)、平形などがあり、また、鍛造用では六角形、八角形、丸形が多いようです。重さは30〜50kgfと小さいものから、20数トンのものまで種々あります。各種の造塊を造る場合、化学成分を決定するためとりべ分析を行いますが、JIS「鋼の検査通則」では1溶鋼ごとの全鋳込みの中間のインゴットから行うことになっています。分析用試料はφ25×100mm位の丸棒が適しています。

4)粗鋼から製品までの工程

インゴットを加工して製品にするには、圧延、鍛造、鋳造の3種類がありますが、鋳鋼や鍛鋼にする割合は1%位で、ほとんどが圧延鋼材として用いられています。
(5)連続鋳造法 溶鋼からインゴットを造らずに、鋳型の変わりに断面が長方形の鋳型に湯をついでやり、出てきたところで水をスプレーで冷やすと連続的に帯や丸棒ができます。

この帯や丸棒を切断すれば板材になったり、丸材になったりします。これを連続鋳造又は連鋳と云っています。現在SKHやSKDなどの高級材料までこの方法で造られています。